機械による翻訳

 
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クロスインデックスの通訳・翻訳コーディネーターの雑感

機械による翻訳

[2010/10/20]    機械には、完全な翻訳はできない」というのは、翻訳者はもちろん、翻訳会社にも、共通した認識です。しかし、「機械が完全な翻訳をしてくれれば」という願望を持った研究者は国内外に多く存在し、現在も関連研究が進められています。
例えば、2008年の北京オリンピックの時は、大手の旅行会社と独立行政法人が、携帯翻訳通訳)システムを試験的に使用しました。携帯に向かって話しかけると、翻訳音声が返ってくるという仕組みです。その他、大手検索エンジンによるWeb翻訳でも、自動的に返される翻訳文に対し、利用者自身が修正を入れられる機能がついているものがあります。こうして蓄積されたデータにより、翻訳の精度を漸進的に高めていくためです。
このような試みは、徐々に成果を上げつつありますが、やはり未だそのゴールは遠いでしょう。言葉には、状況や感情で選ぶべき語彙があり、機械がその機微を理解できないことが理由です。
一方、TRADOSのような翻訳「支援」ソフトは、機械等のマニュアルを翻訳する際には欠かせないツールとなっています。TRADOSは、翻訳者がある文章を翻訳し、それをメモリに保存しておくことで、同じ文章が出てきた場合、自動的に「変換」してくれるものです。これによって、繰り返し何度も同じ表現が出てくるようなマニュアルの翻訳には絶大な効果を発揮します。
北京オリンピックの際は、買い物やホテルでのやり取りなど、簡単な翻訳通訳)に機械翻訳が使われました。しかし、ビジネス文書や手紙など、特に信頼関係を築きたい相手に送る文面の翻訳には、言葉の機微を慮ることができる、人間の翻訳者がまだまだ必要でしょう。

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